澤井牧場は、昭和50年から肉用牛肥育を開始しました。
当牧場の約2100頭の姫和牛®は、のどかな田園と豊かな自然が育んだ良質なわらと、清らかな水で健康に育っています。
近江牛は400年を数える歴史があり、この地で肉用肥育を守り続けてきた先人の熱意を受け継ぎ
「牛と共に」をモットーに牧場を生業(なりわい)にしております。
牛肉づくりというのはとても奥深いもので、まったく同じ環境、同じ餌で作り上げた牛でも若干の差が出るものです。
良い肉牛をできる限り皆様へお届けできるように、より優秀な血統の子牛を毎月買い付け新たに迎えています。
澤井社長インタビュー
美味しいお肉とは
当社の澤井牛の美味しさには、澤井牧場ならではの秘訣がいくつかあります。
それらは極上の牛を肥育する自然豊かな環境と、私たちのこだわりの製法があって初めて実現できるものです。
1.近江山之上という立地
蒲生郡竜王町は山之上と呼ばれている地域で、滋賀県がかつて近江国(おうみのくに)と呼ばれた
江戸時代より近江牛が飼育されてきました。
実に400年を超える歴史を持つ近江牛は、日本最古の由緒あるブランド和牛なのです。
山之上は真夏でも涼しく空気が澄んでおり、まさに牛にとってストレスの少ない最適な気候なのです。
澤井牧場もこの土地ならではの自然の恩恵を享受し、我々独自の近江牛の肥育に日々研鑽を重ねています。
2.大地を潤す豊富な水源
滋賀県といえば日本最大の湖、琵琶湖はみなさんご存知だと思います。
琵琶湖に流れ込む川は一級河川だけで100本以上あり、それ以外の小さな河川も含めると実に450本もの川の終着点となっています。
これほどの水源を持つ滋賀県は豊富な地下水で大地を潤しています。
澤井牧場では、県境沿いの鈴鹿山脈に降った雨や雪が浸透した伏流水を毎日地下80mから汲み上げて牛の飲み水にしています。
この水はバランスの良いミネラルをふんだんに含む、澤井牧場ならではの安全で上質な牛づくりが実現できます。
3.良質な稲わらとこだわりの餌
牛には四つの胃があって、数えてみると30回くらい反芻しています。餌を第一胃に止めておいて、また練り返すのです。
練り返すためには粗飼料という牧草なり稲わらが必要です。
近江山之上は豊かな水脈を含んだ肥沃な土壌で、地元で採れた栄養価が高い稲わらを与えています。
そのおかげで肉牛の味がまろやかになるのです。
それ以外にも、牛の餌にホミニーフィードを配合しています。
ホミニーフィードとはトウモロコシを乾式加工し細粉や胚芽が混合されたもので、肉質の向上に大変効果のあるものなのです。
地元の稲わらとこだわりの餌で育った澤井牧場の近江牛は、食感があっさりとしているのが大きな特徴です。
口の中が脂っこくならずに、食べ終えた後にコクや風味が残ります。
また澤井牧場ではSDGsの取り組みのひとつとして、環境にやさしく牛を飼うことに努めています。
牛は胃の中のCo2を吐き出す習性がありますが、澤井牧場では通常の餌の他に食品残渣を独自の技術で乳酸発酵させて牛に与えています。この食品残渣は地域の工場などで出るものを再利用しており、廃棄物を減らすというだけでなく、
牛の腸内細菌を良好にして吐き出すCo2を減らすことができるのです。
牛の脳やメンタルにも良い影響を与え、ストレスを軽減して育った牛はいっそう肉質が良くなります。
ヨーロッパでは自給バランス保持で、自国での牛の飼育に制限がある国もあります。
日本での肉用牛肥育の将来を鑑みて、澤井牧場が独自に貢献できることとして環境にもやさしく牛を飼育しています。
そして牛肉は味もさることながら、その見栄えも重要です。
肉の照り具合、サシのきめ細かさなど、極上の肉は目に訴えるほどの美しさがあるものです。
食して「美味しい」と満足していただく牛肉づくりは大変奥深いものがあります。
人間と同じで牛にも個体差があり、同じ環境で育った牛であっても、必ず若干の差が出てくるものです。
この差は牛の血統、つまり産地によっても生じてきます。
より上質な肉の牛を育てるために、澤井牧場では全国の牛の産地を巡り、牛づくりに必要な子牛の資質を見極め、
毎月新たに買い付けています。
より美味しい肉をつくるため牛を肥育するということは、牛の環境によいだけではなく、より広い意味で、
自然とこの地域全体にも様々な循環をもたらすものです。
澤井牧場はこだわりと誇りを持って尽力し、地域に貢献し続けます。